前回に続きElmar3.5cmについて。
今回のレビューは、ElmarとZeiss C Biogon 35mm f2.8 ZMとの簡易比較です。
1930年設計のElmarと2008年発売のC Biogon35/2.8。
C Biogon35/2.8は、Ken Rockwell氏曰く「35cron.asph 1stと同等」という評価。
設計・技術に70年以上の隔たりがあって意地悪な比較ですが、Elmarの実力を知るために同条件で比較撮影をしてみました。
<撮影条件> カメラ: Leica M-A フィルム: Kodak Gold 200 露出設定: 1/60 F4.5
レンズ交換のみをした連続したコマのため、現像条件も同じ。
スキャニング時の設定、Photoshop での明るさ調整の数値も同じ。(コントラストは調整せず)
三脚を使用できない状況であったため、手持ちで撮影をしておりアングルの違いはあります。

Elmar 3.5cm

C Biogon35/2.8
両者を比較すると、中央部の解像力はほぼ同じ、Elmarはやや線が甘いものの拡大しないとわからない程度。
Biogonに対して大きく劣るものではありません。

対して、中間部から周辺部にかけての解像力は絞り値がF4.5のため、拡大すると解像力と収差補正に実力差が生じています。

そもそものレンズ構成が3群4枚と5群7枚と異なるうえに、Elmarは開放から2/3 Stepしか絞っておらず、Biogonは開放から1と1/3 Step絞っている事もあって差が出るのは致し方ありません。むしろElmarはBiogonに対し善戦しているのではないでしょうか。
Biogonは彩度が高いと評価されているレンズですが、作例ではElmarも差がなく、古いレンズ故に彩度が低いということはありませんでした。
両者を比較した画像が少ないので機会があればもう少し比較撮影を行ってみたいと思います。
以上、2回にわたり所有機材の中で”Grandma” 的存在Elmar3.5cmのレビューでした。
Elmarとほぼ同世代で”Grandpa”的存在のカメラについても、いずれ作例と共にレビューします。