カメラレビュー: 意外とマイナー機種のLeica M-A (Typ127)  – 後編

前回に続きLeica M-Aのレビュー、今回は使用感についてです。

とにかく露出設定・ピント調節以外の機能がないシンプルさが良い。

デジタルカメラの便利な機能に頼っていたのだな、と認識させられます。

製造から10年程度の機種ですから古いM型のように部品の劣化に悩む必要もありません。

評判が分かれる巻き戻しノブですが、私はもともと撮影枚数が少なく日に1本撮れば多い方で、帰宅してからゆっくり巻き戻しをするため全く気になりません。

また、露出計の有無についても、私はファインダーを覗きながら露出の調整をするよりも

1.単体露出計(入射式)でさっと測る。

2.絞り/シャッタースピードを調整。

3.ピントと構図を調整。

と言う手順に慣れてしまっていて、露出計がない事もさほど気にはなりません。

ファインダーを覗きながら露出計の示す“適正露出”に設定するのは、手探りでダイヤル類を回さなければならないので意外と手間がかかります。

その他の使い勝手は、M2/M4系と変わりないかと。

直接比較をした事がありませんが、年代が新しいため距離計二重像の見え方はクッキリとしています。

ただ、ファインダー内部にホコリが入りやすいのが難点で、頻繁に使いだしたらすぐに細かなホコリが入りました。

撮影に影響するようなものではないのが幸いですが、OHをするまでは残るので精神衛生上には良くありません。

シャッター音は、巷で言われる“コトリ”や”チャッ”などではなく、金属的な残響音がある”パィン”と言う感じ、しかもフィルムを装填しているか否かでこの”パィン”の程度が変わるようで、空シャッターだと響きやすく感じられます。

とは言っても屋外での撮影では他の騒音で気にならない程度の音です。

YOUTUBEにあったMP/M6(2022)の音を聞きましたが、同様の残響音がしていましたのでM3〜M4とは異なる構造や素材の違いによるものかもしれません。

使用上で気を遣うのはレリーズボタンのストローク深さだけでしょう。

M型は全体的にとも聞きますが、デジタルカメラに慣れている身からすればM-Aのストロークは深く、1/60以下での撮影ではブレないようレリーズするのに気を遣います。慣れの問題ですから欠点というほどのことではありません。

機能的な欠点は思いつかないので、フィルムのM型を購入したい方にお勧めしたいところですが…

何分、今は価格が…

中古でも良くて露出計がないM型であれば、状態の良いM4の方がお勧めできるかと。

Leica Classic StoreのOH済みM4でもM-A新品の1/3~1/2の価格で購入できるようです。

「新品を購入したい」「部品の劣化を心配したくない」というのであれば、Leica M-Aは選択肢の一つとしてぜひ。

今後も気づいたことがあればレビューします。

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