レビュー : Nikon Fのオーバーホール Part 3

依頼してからほぼ1年、ようやくNikon Fのオーバーホールが完了しました。

OHの感想についてレビューします。(Part1Part2はこちら)

来歴

私の所有する個体は1973年製の最終型、私の母(地方公務員)が就職後の初ボーナスで購入したものです。

当時、50mm f2付新品の定価が67,000円、新卒の初任給が60,000円程度の時代ですので、今ならNikon Z8を新品で買うような感覚。

余談ですが、コピー機そのものが珍しく専任オペレーターに複写作業を依頼していた (珍しくてコピー機を見学に行った) という時代です。

天体撮影用に購入したそうですが、母がNikon Fを使用しているのを見た記憶がありません。

使用頻度も低かったのでしょう、Nikon Fにありがちな角の凹みはない状態。

将来、私の子が引き継いでくれたら親子3代にわたって使うことになりますので、費用は高めでも確実なメンテナンスが期待できる関東カメラへOHを依頼することにしました。

関東カメラへOHを依頼するのは、私も初めてです。

OHの所管

レリーズ・ミラーの連動機構の微調整が必要になったのはPart2でお伝えした通り。ついでに絞りプレビューボタンの作動不良もあり、Part2の掲載から3ヶ月も経ってしまいました。

Nikon Fは、シャッター・絞りの連動機構が前板とミラーボックスとに分かれているため、微細な擦り合わせが必要で、前板の組み込みが難しいそうです。


そもそものOH作業項目は、見積時に希望も伝えて
本体:分解清掃・シャッター速度調整・モルトプレーンの交換 + レリーズボタン系連動機構の再調整 (修理保証内)
Ftnファインダー:分解清掃・モルトプレーンの交換・Cds交換 + MR-9(SR43用)の購入
と全般的な内容です。

OH後の操作感は期待通りに、OH前に感じていたヘタリも解消して軽快に動くようになりました。

特に変化があったのがシャッター音で、OH前はシャッター幕の作動後に甲高い残響音がありましたが、OH後はそれが抑制されています。

また、レリーズ系連動機構の再調整によってレリーズストロークもやや浅くなり、個人的には使いやすくなりました。

ファインダーはOH前からさほど気になるところはなかったものの、プリズム・配線のチェックを兼ねてCds交換を依頼しました。
OH前のCdsはそれなりに光に反応していたのですが、やはり劣化で1EVくらいの誤差が生じていたようです。
電気部品は劣化に気づきにくいため、新しい部品に交換できただけでも一安心。

皆様も気になる料金は、完全なOHとCds等の部品代込みで約60,000円(消費税別)。

関東カメラは高い実績と専門技術を持つ故に料金が高いというイメージがありますが、個人的に思ったより安かったというのが率直な感想です。部品交換が少ないのも幸いしているかもしれません。

相場からすれば1.5~2倍の料金のようですが、他店で再分解をしてまで連動不具合の解消を行ってもらえたかどうか…

再調整なしの1回で仕上げて頂きたかったと心情もありますが、部品同士の擦り合わせが難しい機械式カメラは再調整ありきでも致し方ないかと。

50年以上前に製造されたカメラを確実に修理・調整をしてもらえ、今後も長く使い続けることを考えれば決して高額な料金ではないと思います。

ご承知とは思いますが、OH料金はあくまでもご参考で。
一律料金ではなく、機体の程度・部品交換の必要性・OH内容への要望などで変動しますので。


以上、OHをご検討の方の参考になりましたでしょうか。
Part2から繰り返すようですが、OHを依頼する際は価格だけでなく依頼先の技術力を慎重にご検討下さい。

OH後、天候が悪い日が続いていて、まだフィルム1本しか撮影できていません。
慣らし運転をしつつ、そのうち Voigtlander ULTRON 40mm F2 SL IIs のレビューでもしようと思います。

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